小児矯正治療を始める前の検査について

今回は、歯ならび勉強会で保護者向けのお話をしている間、どんな検査をしているか、小児矯正治療を始める前の検査の内容や検査の雰囲気などについてお伝えします。

診療室でおこなう検査項目について

①口腔内写真と歯型の模型

②全身の写真と顔の写真

③レントゲン撮影、CT分析

④呼吸の測定と血中酸素濃度の測定

⑤発音や飲み込みなどの様子の確認

⑥ドクター診査

たくさんの検査項目を、スタンプラリーをするように各ブースを回っておこないます。

口腔内写真と歯型の模型

ーーーどうやってお口の中の写真を撮るんですか?

自分のお口の中って、なかなか見る機会がないですよね。歯科医院専用の鏡やカメラを使って写真を撮ります。器具を使ってお子さんに自分でお口を広げるお手伝いをしてもらったりします。

ーーー歯の型をとるのって、大変ですか?

以前は、冷たい粘土のようなものを使って、お口の中にぎゅっとねじ込むようにして型をとっていました。お口の中いっぱいに材料が入るため、お鼻で呼吸ができない方はかなり苦しい思いをしたと思います。今では、小型のカメラを使ってお口の中をスキャンして、それをコンピューターが3Dにして模型に起こします。以前と比べて、苦しいと感じることは少なくなったようです。

全身の写真と顔の写真

ーーー歯並びのために、全身の写真も撮るんですか?

歯並びについて診査して治療を進めるのに、姿勢はとても重要です。ジェンガをイメージしてみてください。どこかがずれたら、バランスを保つためにほかの部分がずれます。それと同じで、全身の姿勢のずれが、咬み合わせや歯並びにも影響します。そのため、全身や顔の写真をいろんな角度から撮影します。おでこや首筋のラインがわかるように、前髪をピンでとめたり、ゴムで髪を束ねたりしてもらいます。背中から腰、足などのラインもチェックポイントなので、ダボっとした服やフードのついた服ではなく、すっきりしたシャツやパンツを着用してください。
お顔の写真も、正面からパシャ!ニコッと笑ってパシャ!横向いてパシャ!など、何枚かモデルのように撮影します。

レントゲン撮影とCT分析

ーーーレントゲン写真って、放射線が気になりますよね。

医科用のCTと比較して、その被線量はもちろん少なく、各種ある一般的な歯科用CTの中でも、被線量が少ない機種を使っています。日常生活の自然の中で受ける放射線の被線量と比較すると、こんな感じです。

大きなロボットみたいな機械でレントゲン写真を撮ります。

子どもたちには、ロボットのパイロットになったつもりで、ここのハンドルを握ってね。なんて声をかけることも。まっすぐ立って、目線もまっすぐ前に。耳の穴に合わせて、装置をキュッキュと閉めて、おでこをぴったり合わせたら、準備OK!ウィーンと約14秒間、じっとしている間に機械がお顔の周りを回ったら撮影完了です。

撮影したデータは、パノラマレントゲンと言われる、全体が1枚で写るレントゲン写真と、扁桃や副鼻腔、鼻中隔などの断面や立体的に見ることができるCT分析、矯正治療の診断には欠かせないセファロ分析と呼ばれるものまで、たった1回の撮影でできてしまいます。

一般的な歯科用CTよりもX線の被線量は少ない機種ですが、何度も照射しなくて済みますので、お子さんへの負担も少なく済みます。

呼吸の測定と血中酸素濃度の測定

ーーー歯医者さんで呼吸の測定もするんですね。

小児の成長期におこなう矯正治療は、理想的な発育を目指すことが特に重要です。そのためには、呼吸や睡眠などの改善が必要なことも。常に自然な鼻呼吸ができるように呼吸のトレーニングもあります。まずは、普段どんな呼吸をしているのか、そして呼吸の中の二酸化炭素はどれくらいあって、血中の酸素はどれくらいあるのかを測定して、治療が進んで改善されてきたときに、どう変化したかなども確認します。

発音や飲み込みなどの様子の確認

歯並びは、唇や舌の動きに大きく影響します。そのため、正しく唇や舌が使えているかの診査のため、発音や飲み込みの様子を動画で撮影して確認しています。名前を声に出して言ってみたり、先生の言う言葉を反復して言ってみたり、お水を飲んだりする検査なので、意外と子どもたちは楽しんでおこなっているようです。

ドクター診査

あらかじめ担当スタッフが測定などを済ませたのち、顔や口腔周囲筋、舌や習癖などをドクターが直接診査します。

ーーー各ブース前で待ち時間があるときは、どう過ごしているんですか?

ぬり絵をしたり、折り紙を折ったり、絵本を読んだりして待ってもらいます。実は、その待ち時間をどんなふうに過ごしているかも、その子を知るための必要な時間になります。そばには、保育士やカウンセラーもいて、「ひとつのことに集中してやれる子だな」とか「ほかの子のことも気にかけてあげられる優しい子だな」とか「常に姿勢正しく、あいさつもできる子だな」とか、そんなことも見ています。

まとめ

これらの診査を保護者向けのお話をしている間おこなって、お昼に一度解散した後、午後の個別診断カウンセリングの時間までに資料をまとめて、診断結果と治療計画をお伝えできるようにします。

通常、①診療ガイダンス(治療方法などの説明)、②診査・資料採得、③診断カウンセリング、と治療を開始するかどうかを決定する前には3回の来院が必要ですが、当院での歯ならび勉強会では、月に一度のこの機会にお越しいただければ1回の来院ですべて済ませることができます。朝から午後まで、ほぼ一日がかりになるので大変な部分もあると思いますが、遠方からお越しの場合は何度も来院せずに一度で済ませることができるので、逆に便利だと喜ばれています。

月に一度の歯ならび勉強会へご参加希望の方は、
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まる一日は難しい方は、それぞれ別々の日に来院しておこなうこともできますので、お気軽にお問い合わせください。